日本語のレベルを見るために、いくつかの基準があります。
そのひとつがCEFR(セファール)を参考に作られた「日本語教育の参照枠」です。
近年、この基準を使って日本語能力を測ることが増えました。
今後さらにこの基準が主要なものになっていくでしょう。
「日本語教育参照枠」は日本語を使って何ができるか、という視点で日本語能力を測ります。
読み書きだけでなく、「聞く」「話す(発表)」「話す(やりとり)」「読む」「書く」を総合的に見ます。
A1、A2、B1、B2、C1、C2があり、A1からC2に向かってレベルが高くなります。
Aは「基礎段階の言語使用者」
Bは「自立した言語使用者」
Cは「熟達した言語使用者」と定義されています。
A「基礎段階の言語使用者」
一番下のA1レベルは、相手がゆっくりはっきり話せば簡単なやり取りができますが、往々にして相手の助け船が必要となるレベルです。
A2レベルは日常的なやりとりはできますが、範囲が限られます。
特定技能1号になるためには、このA2レベルに達していることが求められます。
C「熟達した言語使用者」
最上レベルのC2は、複雑な議論やプレゼンテーションはもちろん、専門的用語も理解できるレベルで、
このレベルの高度な語彙や文法は、ネイティブでも使い慣れないレベルのものでしょう。
そのひとつ下のC1は、英語に置き換えるとおおむね英検1級に相当すると言われます。
細かいニュアンスまで理解でき、専門的で高度な長文を読むこともでき、流暢に話すことができます。
ちなみに、俳優の鈴木亮平さんが英検1級保持だということです。
C1レベルがあれば言うことなしですが、到達するのは非常に難しいです。
B「自立した言語使用者」
B1レベルは、文科省が日本で生活する外国人の到達目標の目安としています。
相手が標準的な話し方で、はっきりゆっくり話せば理解でき、また簡単なメールやお知らせなども理解できるレベルです。
しかし、ネイティブとのコミュニケーションは困難な場面が多いと思われます。
それに対してB2レベルはネイティブと比較的自然で流暢に会話ができるレベルです。
読み書きに関しても、自分の専門分野であれば複雑な文章や話を理解できます。
このB2レベルが、日本語を使って働くためには必要なレベルだと思います。
B2レベルは、JLPTでいうところのN2レベルだと言われることがあります。
しかし、N2を持っていても話せない、話が通じない、こちらが思った通りに仕事が進められないということが往々にして起きます。
これはすでに外国の方を雇用されている企業のご担当者様が日々感じていらっしゃることではないでしょうか。
JLPT(日本語能力試験)というのは、コミュニケーション能力を図るのが難しい試験ですが、入管も企業も他に基準にすべきテストがないため、N2を基準にしている面があると思います。
しかし、N2に合格したということは、学習を続け、基礎的な文字・語彙・文法は身についているはずです(特に非漢字圏の方が合格するのは大変なことです)。そこから運用練習を重ねれば、スムーズなコミュニケーションができるようになることが期待できます。
いわずもがな、言葉は文化と密接に関係しています。異文化同士で交流した場合、悪気がないのに相手に悪く取られてしまったり、文脈が読み取れずコミュニケーションが成立しないことが起こりえます。
当教室では、ディスコミュニケーションが発生したときの状況のヒアリングを重ね、一般的な日本社会の文化的側面を伝えるとともに、どのような解決策があるか一緒に考えるスタイルをとっています。
私自身の経験から、日本社会全体が同じ文化や価値観を持っているわけではなく、業界や会社、部署によって違うということを感じています。メールの書き方ひとつ取ってもそうです。
学習者の方だけでなく、企業のご担当者様とも十分にコミュニケーションを取りながら、双方が気持ちよく働ける職場環境づくりのお手伝いができればと考えています。