育成就労制度では、「入国後講習」という就労前に受けなければならない講習があります。
科目は4つです。
①日本語
②生活一般に関する知識
③法的保護科目
④上記のほか、円滑な技能の習得に必要な知識
です。
これらは、日本へ来てからの「入国後講習」の中で扱わなければならないのですが、来日前6ヶ月以内に受ける「入国前講習」でも扱うことが可能です。
「入国前講習」の時間数や日本語の到達度によって「入国後講習」の必要な時間数が違います。
今回は①日本語についてご説明します。
育成就労の在留期間は最長3年です。
就労前にA1相当レベルであることが求められます。
また、育成就労制度では、中間目標として入国後1年以内にA1レベル以上、育成就労修了時には特定技能1号へ移行できるA2レベル以上の日本語能力を目指すこととされています。
A2レベルは限られた範囲内ですが、日常的なやりとりができるレベルです。
育成就労外国人のキャリアと想定されている日本語能力は以下のようになります。
就労前:A1レベル相当
入国1年以内(中間目標):A1レベル以上
育成就労修了時/特定技能1号移行時:A2レベル以上
特定技能2号移行時:B1レベル以上
B1レベルは、文化庁が日本で生活する外国人の到達目標の目安としています。
身近な話題だけでなく、仕事や日常生活に関する内容について自分の考えをある程度伝えられるレベルです。
育成就労制度では、日本語教育の実施主体が段階ごとに定められています。
入国後〜就労前(「入国後講習」):監理支援機関
就労後〜育成就労終了:育成就労実施者(受け入れ企業)
では、次に「入国前講習」と「入国後講習」について見ていきましょう。
日本に入国後、日本での就労を開始するまでに「入国後講習」を受講させなければなりません。
科目は上記のとおり、①〜④まであります。
「入国後講習」は原則320時間以上実施しなければなりません。
しかし、「入国前講習」を実施したか、また育成就労外国人がA1レベル以上の日本語能力を有しているかによって、受講時間が異なります。
A)「入国前講習」なし・A1レベル未満 → 「入国後講習」320時間以上
B)「入国前講習」160時間以上・A1レベル未満 → 「入国後講習」160時間以上
C)「入国前講習」なし・A1レベル以上 → 「入国後講習」220時間以上
D)「入国前講習」110時間以上・A1レベル以上 → 「入国後講習」110時間以上
<受講時間>
①日本語
A)B)ともにA1レベル相当の日本語教育が100時間以上必要ですが、B)の場合は「入国前講習」と合わせて100時間以上となります。
C)D)の場合、A1レベル相当の講習は必要ありませんが、例えば地域生活や就労分野に関する必要な日本語の講習が必要となります。
この場合、「個別に必要とする時間数」としか定められていません。
この日本語講習はA)B)の場合は原則として認定日本語教育機関の就労課程で受講する必要がありますが、経過措置として「登録日本語教員」により実施された授業でも認められます。
「入国後講習」を終えて就労が開始されてからは、A2レベルに到達できるよう、育成就労実施者(企業)に100時間以上の日本語講習の機会を提供する義務があります。
オンライン・対面のどちらでも可能ですが、講習にかかる費用などは育成就労実施者(受け入れ企業)が負担しなければなりません。
育成就労制度では、日本語教育は外国人本人の努力だけに任せるものではなく、監理支援機関や育成就労実施者(受け入れ企業)が計画的に実施することが求められています。
また、日本語教育の内容や実施方法にはルールが定められており、制度を正しく理解して運用することが重要です。
当事務所では、行政書士として育成就労制度や在留資格に関するご相談をお受けするとともに、登録日本語教員として日本語教育にも携わっており、制度と日本語教育の両面から、外国人材の受入れや定着をサポートしています。
ぜひお気軽にご相談ください。